ウッドロード 誕生秘話【第1章・第2章】

あれから40年の物語

杉の森

この物語は、下村基哉が365日 毎日綴るブログ「木工教室探検隊」より抜粋したものです。


第1章

熊本の森へ熊本の森へここは熊本県

収穫を終えたあとのはずなのに、たくさんのミカンが残っていて
持ち主の方から

「いくらでも食べていいで~」と。
「うわ~!はじめてのミカン狩り!」
これが「おいし~!!っい!!」 反射的に叫んでしまうほど。
一緒に行った仲間がビックリするほど食べてしまいました。

 

 

2014年11月 この地、熊本から想像を絶するような大きなプロジェクトがスタートします。

 


第2章

想像もしていなかったプロジェクト・・・

 

2014年9月、当時の木工教室を翌年3月で辞めることが決まり、
辞めたら直ぐに就職はしないで少しの間、北欧あたりに家具の勉強でもしに行こう、などと考えていたのに

 

そんな想いを変える人たちに出会い、
2015年4月開校を目標にプロジェクトが始動しました。
いつも一番大切にしている「やり時」の流れをみなさんがつくってくださり、そんな流れにいつの間にか乗っていたのかもしれません。
気づけば穏やかな流れではなく激流でした!

 

 

新しい木工教室をオープンするためにまずは場所探しから。

 

「木工教室が出来る場所」それは
・生徒さんが通いやすい立地
・大きめの物件
・機械音とホコリの問題
これをクリアしなければなりません。

 

何ヶ月も前から準備していたのならまだしも急に決まったこと。
教室の規模も不明
家賃の目安もわからない
あてもなければ
時間もなし なんにもなし!!

 

なかなか条件に見合うものに出会えずに自分が立ち止まっていた頃、新しい教室の代表となってくださる方、倉田代表が自転車で回りながら、いい物件はないか?探してくださっていました。 チリンチリン~

 

そこで見つけた不動産屋さんへ連絡してみると元木工所だった空き物件があるとのことで、見に行くことに。

 

近隣への音の問題もなく、幹線道路沿い、駅徒歩3分。
空いているのが不思議なくらい申し分のないこの物件。
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みんなの心は決まり
持ち主の方へ連絡すると・・・
「理由があり直ぐには仮契約できない」とお返事が。
一年以上もこの物件が契約されなかった理由とは?

 

 

今までに借りたいという方はいらっしゃったみたいですが
大家さんに急いで貸す気が無く、面接をされてからこの人になら!と思えるまで貸さない。
そういった理由でずっと空き物件だったようです。
借主さんとの信用をとても大事にされていました。

 

 

同じように自分たちも契約のためにまず代表が面接を受けることが決まり、
もう正直、これ以上の物件は無いと思っていたので祈る気持ちで結果を待つことに。
そして・・・

運命の結果は・・・!

 

 

無事に大家さんからOKを頂くことができました!

 

自分だったら絶対に借りられない物件 。
それもこれも代表のお人柄と、経営されている会社の信用があったからこそ。
今までいろんなところで積み重ねてこられた信用が、どれほど貴重なものか教えていただきました。
この人なら間違いない!
皆さんからそう言って頂ける方の下で働けるなんて、
これほど幸せなことはなく、どんな大変なことも楽しいです。
絶対に追いつけない人、それが倉田代表です。

 

 

 

一階と二階、中二階もつくると150坪。
さて、この広すぎる物件で何をするのか?

あ~でもない、こ~でもないと何度も話し合った結果
一階は木工教室。
二階はカフェとステンド教室に。
中二階は木材販売をすることに決まりました。

二階にカフェがあることで今まで入りづらかった木工教室や木材販売所へ気軽に足を運んでもらえるようになります。
そして何より新しい教室の方向性である「生徒さんを主役にする場所」を可能にしてくれる場所になるのではないか。

 

 

「生徒さんを主役にする場所」とは

長い期間一緒に木工を学んで下さった生徒さんは、さまざまな木工技術をお持ちで、自分も全く追いつかない技術もたくさんあり、数多くの作品を制作されています。

 

 

そして生徒さんが長く教室に通うことが出来たのも家族の理解や応援があったからこそ。
これから作る教室では家族やお友達と楽しめる場所、
培った技術を人に伝えてもらう場所、
「生徒=先生=主役」になってもらう場所を作ろうと考えました。
カフェがあることでそれが叶うのではないか・・・

 

例えば「お箸体験」。 お友達・ご家族と教室に来ていただき 生徒さんが先生になり1時間でお箸づくり体験。 完成したお箸をカフェに持っていき昼食をみんなで食べる。

 

例えば。「誕生日会」 お子さんの誕生日に一緒にフォークをつくって手づくりフォークでケーキを食べながらお祝い。

 

その他にもトレイをつくってその上にお料理を並べたり、スツールや時計などの一日体験をしてカフェでおしゃべりを楽しんで帰る。
考えれば何でも出来そうでしょ~ 生徒さんが先生に! 一緒につくることを楽しんでみんなが温かい食事を囲む。
想像するだけで嬉しくなります!
生徒さんだけでなく周りの方、みんなが笑顔になれる場所。
それが次に目指す木工教室の一つの姿です。

 

そんな素敵な計画に協力してくれるカフェをお任せするのは 浅香夫妻。
美味しいお店に詳しく、料理が得意でご自宅にお友達を招いてパーティーをされていたり。
何より人柄が本当に素敵なお二人です!

 

次に中二階の木材販売について。
木材屋でもない自分たちが木材を販売することができるのも今回仲間の中に桧や杉などの針葉樹、楢やタモなどの広葉樹、国産材から輸入材のことを知り尽くした木材屋の芳崎さんがいてくださったからです。

 

作品をつくる方には、使っているその木材のことを知ってもらいたい、何十年、何百年と大きく育った木が、どこからやって来て、手元に届いているか・・・その木の物語を知れたら作品がまた違って見え、素晴らしさ、大切さに気づいてもらえると思うのです。
自分がきっちりその橋渡しの役割を担わなければいけないといつも思っていました。

 

二級建築士でもある木材屋さんに、
スーパー大工さん、
頼りになる電気屋さん、
調理師免許を持ったステンドの先生、
溶接や機械関係など何でもできる代表、
その他にも様々な専門家の方々、
そんな心強い最強の方々が応援して下さるので工務店さんに全てをお任せするのではなく、自分たちの手で一からつくりあげていくことを決めました。

 

みんなで育てていく会社の名前は

「株式会社ウッドロード」。

 

木の道。
これから自分たちが進んでいく道であり、 人と木を繋げる道づくりを担う会社を目指します。

 

仲間が集い、そして動き出したウッドロード。 手で一からつくりあげていくことを決めました。

 

きっと誰も挑戦したことのない「木の道」へ進んでいくことになります。
あまりにもスケールが大きく、現実離れし、時間のなさに何度も諦めかけます。

でも そこに道はありました。 40年以上前から続く道が・・・

 


第3章へつづく・・・→ ウッドロード 誕生秘話【第3章】