ウッドロード　誕生秘話【第4章】

第４章

熊本、42年間大切に育てられた森の中ではチェーンソーのモーターが勢いよく動き出しこの瞬間が訪れました。

職人さんの手で一本目の杉にチェーンソーが入りとうとう人と木が動き出しました！

当初は時間もないので皆伐（全て伐る）する予定でしたが手入れが行き届いていて素晴らしい木が多かったので、林業家の方々がこれからもっと大きな杉が育つようにと、手間と時間がかかりますが間伐（間引き）してくださることになりました。
10年先を楽しみに・・・とプロがプロの仕事をしたいそんな森だったみたいです！

本来なら葉枯らし乾燥（伐採後枝葉を付けたまま山で乾燥）こうすると杉が乾燥して軽くなり運びやすくなるのですが今回は時間の関係上、重たいまま即搬出へ。

平均的な杉の大きさは直径230ｍｍ！立派に育った杉の中に1本、直径600ｍｍの大きな杉が。これは植林したものではなく、この場所に自生していたのです。この木はカフェの一枚板カウンターに生まれ変わる予定です！

山からトラックに乗せられて運ばれた丸太は、大型トレーラーに積み込むために短期間借りた空き地へ集められます。

グラップルクレーン付きのトラックが横付けされ、木材を積み込み。4ｍの丸太が約250本積み込まれました。

木材の搬出　ウッドロード

これが1台目。全ての丸太を運ぶにはあと4台大型トレーラーが必要なんです！個人の依頼で運ぶ量では考えられない数・・・

丸太が山積みのトレーラーを間近で見た時が一番驚いた瞬間であり、怖くなった瞬間でもあり、信じられない瞬間でした。大型トレーラーはフェリーに乗り込み九州を離れ神戸港を経て、最終目的地の大阪より遠い兵庫県養父市の正垣木材さんへ。

11月14日に訪れたあの森の杉が

兵庫県に上陸

大型トレーラーのナンバープレートは・・・熊本～やっぱり現実！

工場長さんが、これから行われる製材の方法を見せてくださいました。製材機の上に置かれた一本の杉。緊張しているように見えます。ドキドキ、ドキドキ

今まで何度も見てきた製材のはずなのに、この時は写真を撮っている自分が緊張していました。

今回の製材はなんと正垣木材さんの工場長さんが担当してくださることに！ 42年間　大切に育てられ大きく育ち遠い熊本から兵庫県まで旅をしてきた杉。製材のプロが刃を入れて今から板に生まれ変わります。

カットされた板は節がほとんどなく、綺麗な木目。

正垣木材さんの社長さん工場長さんスタッフの3人の方が「反りやねじれも無く木目が素直で綺麗。節も少ない」

「久しぶりにこんな素晴らしい杉を加工した」と言って下さり自分が育てた杉ではないのですがとても嬉しかったなぁ。代表が長いあいだ森に手をかけてこられた証です。木は嘘をつきませんから！そんな杉を使えるなんて幸せです。

この後、全ての製材を引き受けてもらえるかの打ち合わせへ。大型加工機械を持った工場、丸正木材さんに協力してもらえるよう依頼してくださり、全ての製材と大阪への運搬を引き受けてもらえることが決まりました！！ご協力いただいた丸正木材さんにお話を聞かせていただいた時に「まさか九州から持ってくるとは、50年で初めてや！」「そんな無駄なことする人おらへんわぁ～」そんな話で盛り上がりました！こちらで見せていただいた製材機は、操作する人のいない！全自動！初めて見ました！こんな機械！